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『善導 六時礼讃―浄土への願い』

私と清岸寺の職員である宇野上人と共に浄土宗の高祖・善導大師の「六時礼讃」を訳注した『善導 六時礼讃―浄土への願い』が春秋社より発刊されました。

善導大師は浄土宗の宗祖・法然上人が師匠と仰がれた中国・唐の時代の中国浄土教の大成者です。

善導大師の生誕は西暦613年です。西暦2012年は善導大師の生誕1400年に当たりました。善導大師の生誕一千四百年を記念して、私と宇野上人とで善導大師の「六時礼讃」の翻訳作業をすすめ、ようやく完成いたしました。

「六時礼讃」は善導大師が撰述した『往生礼讃』の中、前序と後序を除いた偈の部分で、浄土宗や浄土真宗などで法要において節を付けてお唱えいたします。六時とは一日を六つに分けた時間で、「六時礼讃」とは一日六回それぞれの時間に「礼讃」をお唱えするお経です。浄土宗のお檀家の皆さまは、法要で「六時礼讃」の一部分をお聞きになったことがあると思います。

清岸寺の檀信徒の方には、一件に一冊づつ配布させていただきました。また、東京の浄土宗のご寺院様には東京教区から教化資料として配布していただきました。

ぜひ多くの方にご覧いただき、「六時礼讃」を味わっていただければと思います。

七転び八起き

息子が一歳を過ぎて、ようやくヨチヨチ歩きを始めました。

まだまだ数歩しか歩けませんが、転びながら着実に成長しています。まさに「七転び八起き」です。

ところで、「七転び八起き」という言葉は、「七転び」なら「七起き」ではないのかと疑問に思ったことはないでしょうか?

いくつか説があるようですが、人は生まれたら先ず立ち上がる、つまり一起きから始まるというものです。

七転八倒しないように、しっかりと立ち上がってしてほしいと思います。

また、別の説として、一転び、二起き、三転び、四起き、五転び、六起き、七転び、八起き、の最後の部分という説もあるようです。

鬼灯(ほおずき)の冷徹(れいてつ)

漫画雑誌の『モーニング』(講談社)で連載されている「鬼灯(ほおずき)の冷徹(れいてつ)」という漫画が今年の1月からTBSでTVアニメ化(毎週金曜、25:55~)されています。

「鬼灯の冷徹」は地獄が舞台の物語で、鬼灯(ほおずき)という名前の閻魔大王の第一補佐官が主人公という設定です。間の抜けた閻魔さまに対して冷徹な主人公の鬼灯を中心に色々な話が描かれます。奪衣婆などの仏教で説かれる地獄の人物の他に、桃太郎などのおとぎ話の主人公やEU地獄からデビルなども登場します。舞台は仏教の地獄をモチーフにしていますが、物語は現代的なギャグストーリーです。

ちなみにホオズキ(鬼灯)はお盆に提灯に見立てて精霊棚(盆棚)に飾る植物です。また、冷徹とは冷静に物事を見通すという意味ですが、この物語の主人公は冷徹というより冷酷なイメージを受けます。

漫画の冒頭には「※このマンガはフィクションですが、地獄はあるかもしれません。現世での行いには十分ご注意下さい。」と注意書きがあります。この漫画やアニメに描かれるようには地獄は楽しくありませんから、皆さんは現世での行いは気を付けて下さいね。

初誕生(一生餅と選び取り)

先日、息子の「初誕生」(はつたんじょう)のお祝いを致しました。

初誕生とは、誕生してから初めて迎える誕生日、つまり満一歳の誕生日のことです。

昔は、年齢は数え年で、生まれて一歳、正月を迎えるごとに一つ歳をとっていたため、現在のように誕生日を祝う習慣がなかったようです。しかし、人生最初の誕生日である満一歳の誕生日は、赤ちゃんから子供への大切な節目であり、初誕生として祝っていたようです。

初誕生には、子供に「一升餅」(いっしょうもち)を風呂敷で背負わせる習わしがあります。一升は「一生」、餅は「力持ち」にかけて、一生食べものに不自由せず、力持ちの丈夫で元気な子供に育つようにという願いが込められています。
地域によっては、お餅の上に立たせたりすることもあるようです。

うちの息子は、一生餅をしっかり背負って、つかまり歩きをしていました。

また、初誕生の行事として、中国から伝わった「選び取り」という習慣もあります。子供の前に色々な物を並べて、その中から選び取らせ、取った物によって将来を占うというものです。

将来のお寺の跡取り息子として、しっかりお坊さんになってもらえるように、うちでは、経本(お経のお唱えが上手くなるように)、木魚(お経のリズム感がつくように)、筆(字が上手くなるように)、仏教辞典(仏教の教えが身に付くように)、法話集(お話が上手くなるように)、當麻曼陀羅(仏教美術の芸術性が身に付くように)を並べました。

うちの息子は、筆をつかんで仏教辞典を叩いたあと、當麻曼陀羅の箱を口にくわえようとしていました。どのように成長するか楽しみです。









井上章一『日本人とキリスト教』

以前に井上章一氏の『霊柩車の誕生』をご紹介いたしましたが、同氏の講談社から刊行された『日本人とキリスト教』が昨年10月に角川ソフィア文庫で文庫化されました。

文庫版には「文庫版へよせての、まえがき」と「文庫版へのとがき」が付され、巻末には仏教学者の末木文美士(すえきふみひこ)氏の解説が収録されています。

この本を読めば、日本人とキリスト教の関係を通じて、神道や仏教を含めた日本人の宗教観や歴史観が理解できます。
また、トンデモ本が好きな方も副読本としてお薦めです。

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清岸寺

Author:清岸寺
清岸寺・住職の弘之(お坊さん読みでコウシ)です。
学歴:大正大学人間学部仏教学科卒業、大正大学大学院修士課程修了。
趣味:読書、映画鑑賞、合気道(合気道歴20年)。

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