『あなたの知らない法然と浄土宗』
洋泉社の歴史新書から山折哲雄氏の監修で「あなたの知らない宗祖・仏教宗派別シリーズが刊行されていて、最近『あなたの知らない法然と浄土宗』が発行されました。
巻末の参考文献では浄土宗について書かれた一般書籍が多数挙げてあり、各項目もわかりやすく立てられています。
ただ、誤りも散見されます。
89頁に「法然が重んじた浄土五祖は、曇鸞、道綽、善導、懐感、少康である。ちなみに浄土真宗では、これに恵心僧都源信と法然を加えて「浄土真宗七高僧」と呼んでいる」とありますが、浄土真宗の七高僧は浄土五祖の懐感、少康を省き、はじめに龍樹、天親(世親)、うしろに源信、法然を加えたものです。
144頁に聖冏の著書として挙げられている「『釈浄土十二蔵頌義』三十巻」とあるのは「『釈浄土二蔵義』三十巻」です。
また、第三部Q12(150~151頁)では、「安土宗論」は信長の法華衆弾圧の策略だった!?として記述されていますが、最近では井沢元彦氏の『逆説の日本史』10「戦国覇王編 - 天下布武と信長の謎」第二章や、『「誤解」の日本史』第十章で論じられているように、安土宗論八百長説は疑問視されています。
安土宗論についてはウィキペディアにも簡潔にまとめられていますので、興味のある方はご覧ください。
なお、78~79頁に阿弥陀仏が仏となる前にたてた四十八願をいくつかあげて、第11を必至滅度の願、第18を至心信楽の願、第22を還相回向の願としていますが、浄土宗では通常、道光の『無量寿経鈔』によって第11は住正定聚の願、第18は念仏往生の願、第22は必至補処の願という名称を用いています。
一般書籍の浄土宗についての本について全体的に言えることですが、浄土宗の説明をするのに浄土真宗の本を元に記述するのはやめて頂きたいと思います。
巻末の参考文献では浄土宗について書かれた一般書籍が多数挙げてあり、各項目もわかりやすく立てられています。
ただ、誤りも散見されます。
89頁に「法然が重んじた浄土五祖は、曇鸞、道綽、善導、懐感、少康である。ちなみに浄土真宗では、これに恵心僧都源信と法然を加えて「浄土真宗七高僧」と呼んでいる」とありますが、浄土真宗の七高僧は浄土五祖の懐感、少康を省き、はじめに龍樹、天親(世親)、うしろに源信、法然を加えたものです。
144頁に聖冏の著書として挙げられている「『釈浄土十二蔵頌義』三十巻」とあるのは「『釈浄土二蔵義』三十巻」です。
また、第三部Q12(150~151頁)では、「安土宗論」は信長の法華衆弾圧の策略だった!?として記述されていますが、最近では井沢元彦氏の『逆説の日本史』10「戦国覇王編 - 天下布武と信長の謎」第二章や、『「誤解」の日本史』第十章で論じられているように、安土宗論八百長説は疑問視されています。
安土宗論についてはウィキペディアにも簡潔にまとめられていますので、興味のある方はご覧ください。
なお、78~79頁に阿弥陀仏が仏となる前にたてた四十八願をいくつかあげて、第11を必至滅度の願、第18を至心信楽の願、第22を還相回向の願としていますが、浄土宗では通常、道光の『無量寿経鈔』によって第11は住正定聚の願、第18は念仏往生の願、第22は必至補処の願という名称を用いています。
一般書籍の浄土宗についての本について全体的に言えることですが、浄土宗の説明をするのに浄土真宗の本を元に記述するのはやめて頂きたいと思います。
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