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国会図書館

皆さんは国会図書館には行かれたことがあるでしょうか?
私は、国会図書館の古典籍資料室をよく利用します。古典籍資料室には旧幕府引継書などが保管されており、江戸時代のことを調べる方は、必ずここを訪ねらると思われます。
国会図書館には、日本中の出版物が集まっていますので、本の出納をするのに時間がかかるのが難点ですが、ホームページでの検索もでき、大変便利です。
ホームぺージの近代デジタルライブラリーでは、国立国会図書館が所蔵する明治・大正・昭和前期刊行図書のデジタル画像を収録しています。現在では手に入りにくい貴重な本が、家に居ながら読むことができ、うれしい限りです。
近所の図書館で見つからない本は、ほとんど国会図書館にあります。
最寄り駅は永田町で、国会議事堂と最高裁判所の間にあります。食堂(メニューも豊富)もありますので、一日かけてじっくり図書館を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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法然上人讃仰会講演会

昨日は、増上寺において月刊『浄土』を刊行している法然上人讃仰会主催の梶村昇先生の講演会に行って参りました。

講題は「いのちの無常と来世への希望」でしたが、前半は釈尊の悟りと現代の科学についてのお話がありました。
理論上だけの形式科学(数学)や理論上だけで済まない実質科学(自然科学・精神科学)からは、哲学・芸術・宗教は分別されるとし、いくら科学が発展しても宗教はなくならないという内容でした。対象が無機的な自然から、有機的な人間に移行するにつれて、科学とは呼べなくなり、結局は宗教に拠らざるを得なくなるという御意見でした。科学全盛の時代に、なぜ宗教が必要なのか?、私は前半のこの話が重要な部分のように思いました。
後半は宗教的対応として、宗教的な生き方について、法然上人のお弟子の熊谷直実の人生やカール・ブッセの「山のあなたの空遠く」の詩などを出してお話しいただきました。また、山の越え方は沢山あるが、念仏がいかに素晴らしいものかを語って頂きました。

今回の講演会の講師・梶村昇先生のご紹介をいたします。元亜細亜大学教授で、法然上人や法然上人のお弟子の方についての研究を長年されて著書も沢山出版されています。

『浄土教の世界』

大正大学出版社からTU選書『浄土教の世界』という本が出版されました。

本書は、主に大正大学で現在活躍中の仏教学部や文学部、人間学部の先生によって執筆されています。
私は執筆者の先生方のほとんどの方を存じ上げているため、各章を読みながらどの先生が執筆されているのか予想しながら読ませて頂きました。

内容は、浄土教の歴史の概観、浄土教諸派の所依の経典である「浄土三部経」の概説、インド・中国・日本における浄土教の祖師の生涯と教え、法然上人はじめ浄土宗教団の流れ、日本浄土教諸派の祖師の教えや諸宗派の流れ、最後に浄土教の文化と現代社会への展望が説かれています。

浄土教の歴史となると浄土真宗から書かれたものが多く、法然浄土教を親鸞浄土教の前段階とするものが目に付きますが、本書では、親鸞の浄土真宗を証空の浄土宗西山派や一遍の時宗と同列に、法然・聖光・良忠の浄土宗とは別の法然浄土教から出た諸宗として扱っています。

分かりやすい文章で書かれていますので、大変読みやすく、全体の構成も大変よくまとまっています。
大正大学では今後、この本を浄土学の教科書として使っていくのでしょう。
浄土教全般を一書で把握したい方や、浄土宗の宗門大学である大正大学の授業内容を知りたい方はぜひ読んでみてください。一般書店でも販売されています。

『もし仏』と『超訳ブッダの言葉』

現在、『もしドラ』(『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』)が映画化され公開中ですが、『もしドラ』(岩崎 夏海著、ダイヤモンド社)が出版された後、『もしリアルパンクロッカーが仏門に入ったら』(架神恭介、イカロス出版)という本が出版されています。

『もし仏』(『もしリアルパンクロッカーが仏門に入ったら』)のストーリーは、パンクロッカーが釈尊・龍樹・玄奘三蔵・最澄・法然・日蓮・禅僧に対して殴りかかるという物騒な話ですが、それぞれのストーリーの間にある解説が著者独自のパンクな言葉と現代的な譬えで述べられていますので、この本は一通り仏教書を読んだ方の方が楽しめるかもしれません。この本は映画化されることはないでしょう。(笑)

また、『超訳 ニーチェの言葉』(白取春彦、ディスカヴァー・トゥエンティワン)が出版されて話題となりましたが、超訳シリーズ第2弾として『超訳 ブッダの言葉』(小池龍之介、ディスカヴァー・トゥエンティワン)が出版されています。かなり超訳しすぎの感もありますが、大変読みやすい内容となっていますので、お釈迦様の言葉やお経に触れる入門書としてお薦めです。
『超訳ニーチェの言葉』をお読みになった方もそうでない方も、『超訳ブッダの言葉』を読んでみてはいかがでしょうか。お釈迦さまが語った数々のお言葉の中から心に残るフレーズがきっと見つかると思いますよ。

新盆(にいぼん)回向法要

清岸寺では、毎年7月の第1土曜日に新盆の方を集めて新盆回向法要を行なっています。

新盆(にいぼん・しんぼん・あらぼん)とは、亡くなられた方を初めてお迎えするお盆のことをいいます。
お盆は、地方によって、月遅れの八月に行なうところや、旧暦で行なうところもありますが、東京では7月に行ないます。

新盆は、普通のお盆よりも手厚くお迎えするものとされています。また、新盆だけ盆提灯は白い提灯をお供えする習慣があり、親戚から贈られたりすることもあります。

只今、新盆の方への新盆回向法要の案内の発送準備を行なっていますので、新盆の方は案内が届くまで今しばらくお待ちください。

『師、威厳あって温厚なり―法然院の忍澂上人のはなし』

『師、威厳あって温厚なり―法然院の忍澂上人のはなし』(風濤社)という本が出版されています。
昨年が、江戸時代中期の浄土宗の忍澂(にんちょう)上人というお坊さんの三百回忌に当たり、その記念として忍澂上人の伝記である『忍澂和尚行業記』を現代語訳されたものです。
忍澂上人は京都の鹿谷(ししがたに)に法然院というお寺を創建した方です。
法然院には、京都観光で行かれたことのある方も多いと思います。山門を入ると白砂檀(びゃくさだん)という、両側に白い盛り砂があるお寺です。
忍澂上人の伝記には、上人の壮絶な修行や法然院の創建、本の出版、大蔵経というお経の集大成の対校作業などについて詳しく述べられています。
これを読めば、江戸時代のお坊さんがどのような修行や生活をしていたのかよくわかります。

映画「手塚治虫のブッダ―赤い砂漠よ!美しく―」

映画「手塚治虫のブッダ―赤い砂漠よ!美しく―」が5月28日から公開されています。
私も本日、観に行ってまいりました。
手塚治虫のコミック『ブッダ』が長編アニメとして映画化されたものです。
皆さまの中にもコミックでお読みになったことがある方も大勢いらっしゃると思いますが、手塚治虫の『ブッダ』は、釈尊の史実に基づく物語ではなく、釈尊伝をもとに独自のストーリーを展開しています。
今回の映画は、3部作の第1部にあたり、お釈迦さま(シッダールタ)の誕生から出家までが描かれていました。
2500年前のインドの身分制度などの文化や生活、戦争の場面が巧みに描かれています。手塚治虫は単に釈尊伝としてでなく、当時の時代背景をエンターテイメントとして描きたかったのだと思います。史実にはない登場人物が沢山出てきますが、それぞれの生きざまに引き込まれ、あっという間の二時間でした。
年代性別を問わず、お薦めできる映画です。
釈尊伝を知らない方も、お釈迦様を知る入門として楽しめると思います。手塚治虫のブッダをお楽しみいただけた方は、お釈迦様の伝記に興味をお持ちいただければ幸いです。
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清岸寺

Author:清岸寺
清岸寺・住職の弘之(お坊さん読みでコウシ)です。
学歴:大正大学人間学部仏教学科卒業、大正大学大学院修士課程修了。
趣味:読書、映画鑑賞、合気道(合気道歴20年)。

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