fc2ブログ

清岸寺本堂

清岸寺の建物は、戦災により全焼したため、現在の本堂は、千葉県南房総市の市部(いちぶ)にあった豪壮な民家を戦後に移築したものです。その建物は当時、岩井御殿と称されていたそうです。今村家は砥石を発掘して財を築いた家だったようです。

清岸寺の本堂は、大部手直しはしていますが、明治期の木造建築で、渋谷区でも珍しいそうです。

本日、本堂が移築される前のことを知る清岸寺の総代・岩本氏と共に、今村家の岩井御殿の跡地を訪ねてきました。
今村家の跡地は空き地になっており、残念ながら当時の面影はありませんでした。

その後、今村家の菩提寺も訪ねました。
今村家の菩提寺は、市立岩井小学校の東隣にある曹洞宗の福聚院(ふくじゅいん)です。
福聚院は、勝山藩酒井家ゆかりの寺院で、初代波の伊八(武志伊八郎信由)の欄干彫刻があります。また、房州ビワ改良種第1号の福聚院ビワの発祥の地だそうです。
墓地には、大変大きな今村家の墓石が3基ありました。

初めて本堂の縁の地を訪ねることができて感動しました。今後とも、清岸寺の本堂を大切にしていきたいと思います。
スポンサーサイト



法然展と親鸞展

今年は、浄土宗の開祖・法然上人の八百回忌、法然上人のお弟子の一人で浄土真宗の開祖・親鸞聖人の七百五十回忌に当たり、浄土宗・浄土真宗ともに色々な催しが行なわれています。

現在、京都国立博物館で「法然 生涯と美術」、京都市美術館で「親鸞展 生涯とゆかりの名宝」が開催されています。
今日は、日帰りで京都国立博物館と京都市美術館をハシゴしてきました。

親鸞展が市の美術館に対して、法然展が国立博物館ですから、結果的に親鸞聖人がお師匠様の法然上人に大きなハコを譲った形になっています。

京都国立博物館と京都市美術館は初めていきましたが、京都国立博物館はさすがに見ごたえがありました。史上初の法然上人大回顧展であり、法然上人関係の美術品がこれほど一ヶ所に揃うことは今後もほぼないでしょう。
法然展では、法然上人の伝記絵巻の集大成である知恩院所蔵の国宝「法然上人絵伝(四十八巻伝)」(「法然上人行状絵図」「勅修御伝」)を主軸に法然上人の生涯と思想が紹介されています。その他にも鎌倉時代の法然上人在世当時のものや、法然上人ゆかりのものが多数展示されています。

京都国立博物館の法然展は5月8日まで、京都市美術館の親鸞展は5月29日まで開催されています。京都に行かれる方は是非行ってみてくださいね。

なかなか京都まで行けない方は、今年の秋(10月25日~12月4日)に、上野の東京国立博物館の平成館にて「法然と親鸞 ゆかりの名宝」も開催されますので、行かれてみてはいかがでしょうか?こちらの開催も大変待ち遠しいです。

表葬(ひょうそう)・本葬(ほんそう)・密葬(みっそう)

増上寺布教師会会長などをお務めになられた北区滝野川の正受院住職・正村瑛明上人がご往生なされました。本日はその表葬(ひょうそう)が芝にある大本山・増上寺(ぞうじょうじ)光摂殿(こうしょうでん)で執り行われ、私もお焼香に行ってまいりました。

表葬とは、本葬(ほんそう)ともいい、身内だけで密葬(みっそう)を執り行った後、世間に対して公の葬儀を行うことをいいます。ですから、表葬・本葬を行なわない限り、身内だけで行なう葬儀を密葬というのは適切ではありません。家族葬、もしくは身内葬と言うべきでしょう。

会社が主体で行なう社葬がほとんど行なわれなくなった現在、一般的には密葬と表葬(本葬)の両方が行なわれることはあまりないかもしれません。
しかし、お寺の住職が遷化された場合、関係のある寺院の住職やお檀家の皆さまなど、大勢の参列がありますので、身内だけで仮通夜と密葬を済ませた後、表葬(本葬)を執り行うことが一般的です。

仏花(ぶっか)

お仏壇やお墓にお供えするお花を仏花(ぶっか)といいます。お花はお香と灯明と共に三具足の一つとして、仏教では大切なお供えの一つです。

仏花をお供えする場合は、お花の向きが重要です。お花は私たちの方を正面に向け、仏さまの方に裏を向くように活けます。なぜかというと、お花は仏さまをお飾り立てする姿で活けるのが本義だからです。ですから、お花は拝む私たちの方に向けて、仏さまをお飾り立てするのです。

お花の形はロウソクの炎のような形、つまり、菱形のような形にお飾りするのがよいとされています。

お供えに不適切なお花は、毒気のあるお花、棘(とげ)のあるお花、いやな匂いのするお花などです。

神棚に榊(さかき)をお供えするように、仏花として樒(しきみ、しきび)を仏前・墓前にお供えすることもあります。樒の実には毒がありますが、仏前に例外的にお供えします。樒の実は青蓮華に似ていることから青蓮華としてお供えに用いられるようになったといわれる香木だからです。

仏花は仏さまへの誠意を表すものですので、造花はあまりお薦めできませんが、どうしても生花をお供え出来ない方には、お生花に近いプリザーブドフラワーでアレンジしてみるのもいいかもしれません。プリザは長く美しさを保つことができますし、水の取り換えもありませんので、生花が禁止の納骨堂や位牌堂などでもお供えすることが可能です。

因みに、私の妻がプリザーブドフラワーを習っており、お部屋にプリザが沢山あります。お生花でなくてもお部屋にお花があるのはいいものです。

三具足(みつぐそく)と五具足(ごぐそく)

お仏壇の主役はご本尊の仏像ですが、最低限必要な仏具に三具足(みつぐそく)又は五具足(ごぐそく)があります。

三具足とは向かって右に燭台(しょくだい、ロウソク立て)、真ん中に香炉(こうろ)、向かって左に華瓶(けびょう、花瓶、花立)の三点を祀ることです。

五具足とは香炉を中心に左右に燭台、その外側の左右に華瓶を一対ずつ、計五点を祀ることです。

なぜこの三種類の道具が基本として大切かというと、香は仏さまの「慈悲の心」、花は仏さまの「広い心」「和(やわ)らいだ心」、燭台つまり灯明は仏さまの「智慧」を表すからです。

三具足を祀るか五具足を祀るかは、お仏壇の大きさなどによってどちらでも構いませんが、一般家庭のお仏壇では通常は三具足が多いようです。

花まつり 2

花まつりはお釈迦様の誕生日ですが、お釈迦さまがお生まれになってすぐ七歩あゆまれて、右手で天を指し、左手で地を指し、「天上天下(てんじょうてんげ)唯我独尊(ゆいがどくそん)」と言われています。

七歩あゆまれたということは、迷いの世界である六道輪廻の世界から離れた悟りの世界を表しています。
六道とは、生まれ変わり死に変わりする世界で、地獄(じごく)・餓鬼(がき)・畜生(ちくしょう)・修羅(しゅら)・人(にん)・天(てん)の六つの世界のことです。
生まれてすぐの赤ん坊が歩いたり喋ったりするはずはないですので、お釈迦さまが悟りを開かれた時の境地を生まれた時に仮託して作られた説話でしょう。
天上天下唯我独尊という言葉は、世の中で自分一人だけが優れていると自惚れることではありません。この世の中で人はそれぞれみんなお互いにかけがえのない尊い存在であり、お互いに他人を大切にしようという意味を持ちます。
誰もがかけがえのない尊い存在であり、かけがえのない尊い命を持っています。お互いが思いやりの心をもって接すれば、きっと悟りの世界に近づけるでしょう。

花まつり

4月に入り、桜などのお花が綺麗な季節ですね。お寺の境内の桜も少しずつ咲き始めています。

4月8日は、仏教の開祖、お釈迦様のお誕生日です。
降誕会(ごうたんえ)、灌仏会(かんぶつえ)、仏生会(ぶっしょうえ)とも呼ばれますが、一般的に花まつりと呼ばれています。
花まつりの名称は明治以降に浄土宗から用いられた名称ですが、今は浄土宗に限らず一般に用いています。

花まつりでは、花御堂(はなみどう)と呼ばれる小さなお堂を草花で飾り、その中に灌仏桶(浴仏盆)を置き、甘茶(あまちゃ)を満たして、右手で天を左手で地をさした誕生仏の像を中央に安置して、柄杓で像に甘茶をかけて祝います。
甘茶をかけるのは、釈迦が誕生した時に、九匹の竜が産湯(うぶゆ)として甘露(かんろ)の雨を降らせたという伝説に因(ちな)みます。
花御堂はお釈迦さま誕生の地であるルンビニ園をあらわし、誕生仏はお釈迦さまがお生まれになってすぐ七歩あゆまれて「天上天下(てんじょうてんげ)唯我独尊(ゆいがどくそん)」と言われたそのお姿をあらわします。

甘茶は、参詣者の皆さまにも振る舞われます。
4月8日の花まつりにはお寺にお寄りいただき、甘茶をお召し上がりください。甘茶は自然な甘みのあるお茶で大変おいしいですよ。

sidetitleプロフィールsidetitle

清岸寺

Author:清岸寺
清岸寺・住職の弘之(お坊さん読みでコウシ)です。
学歴:大正大学人間学部仏教学科卒業、大正大学大学院修士課程修了。
趣味:読書、映画鑑賞、合気道(合気道歴20年)。

sidetitle最新記事sidetitle
sidetitle最新コメントsidetitle
sidetitle最新トラックバックsidetitle
sidetitle月別アーカイブsidetitle
sidetitleカテゴリsidetitle
sidetitle検索フォームsidetitle
sidetitleRSSリンクの表示sidetitle
sidetitleリンクsidetitle
sidetitleブロとも申請フォームsidetitle

この人とブロともになる

sidetitleQRコードsidetitle
QR