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『図説 あらすじでわかる!法然と極楽浄土』

最近、大正大学准教授・林田康順先生監修の『図説 あらすじでわかる!法然と極楽浄土 』(青春新書インテリジェンス)が出版されました。
一般書店で売られている浄土宗や法然上人関係の本は浄土真宗や他宗に比べて非常に少なくて残念ですが、最近少しづつ浄土宗関係の本が出版されてきています。今回の本は、一般向けの新書で大変読みやすく、浄土宗・法然上人関係の一般書店に置かれている新書版の本としては故寺内大吉氏(大本山増上寺前法主・成田 有恒台下)の『法然讃歌―生きるための念仏』(中公新書)以来であると思います。
浄土宗関係の本は、浄土宗出版から浄土選書として、新書版の本も出版しており、良書も多いのですが、一般書店に並んでいないので一般の方の目に触れないのが致命的です。
出版業界では各宗派の本を出しても、浄土宗の物は売れ行きがあまり良くないことで有名らしいです。一般向けの本の出版も教化の一つの方法ですから、積極的に浄土宗の本を出版して頂き、浄土宗関係の寺院やお檀家の皆さまには購入して頂きたいと思います。
なお、林田康順先生が執筆者の一人として出版されている『浄土宗の常識』(朱鷺書房)という本があります。こちらも浄土宗の入門書として大変お薦めですので、是非読んでみて下さい。
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随喜(ずいき)

随喜(ずいき)とは、他人のなした善い行為に随い順じて、これを心から喜ぶことをいいます。
「随喜の功徳は自作者(随喜される善を行ずる者)に勝る」とも言われています。人間とは、妬みや嫉みが多い生き物ですので、なかなか人の善い行為を心から喜ぶことが難しいということを表しているのでしょう。
転じて、僧侶が法要や儀式に参列したり出仕することを意味するようになりました。
さらに転じて一般的には、心からありがたく思い、大いに喜ぶことを意味するようになりました。

昨日は、知人のお寺のお地蔵様の大祭とそのお寺の会館のご本尊の阿弥陀様の開眼法要があり、ご案内を頂きましたので、随喜して参りました。

因みにお寺では、慶事だけでなく、弔事に参列することも随喜といいます。弔事であっても仏事法要を営むことは、尊い功徳のある善行だと言えるでしょう。

ブログ見ました

本日はお足もとの悪い中、お参り頂きましてありがとうございました。
酒呑地蔵のお堂の落慶法要にお参り頂いた皆さまには甘酒をお召し上がりいただきました。肌寒い一日でしたので、私もおいしく頂きました。

私のブログを見てくださったお檀家様であり母校(笹塚小学校)の校長先生がだった方が、お寺に来て下さいました。
お檀家様をはじめ、いろいろな方にブログを見ていただきうれしく思います。
今後ともたまにブログをチェックして頂ければ幸いです。

ご意見やご質問等がございましたらコメントをお寄せ下さい。

今日がお中日ですから、お彼岸も残すところあと三日です。まだお彼岸のお参りをされていない方は、お墓参りにお越しくださいね。清岸寺の玄関には、常時お花とお線香のご用意がございます。

酒呑(さけのみ)地蔵堂落慶

渋谷区本町(ほんまち)から清岸寺に遷座した酒呑(さけのみ)地蔵のお堂が完成しました。
立派なお堂が出来上がり酒呑地蔵さまもさぞお喜びのことと存じます。

連日夜中まで職人さんにお堂の屋根を作っていただき、お陰様で予定通り明日の落慶法要を迎える運びとなりました。
ご寄進して頂きました小泉様、お堂を建立して頂いた職人の皆さま誠にありがとうございました。

お彼岸のお中日、11時より本堂でお彼岸の法要をし、11時半より酒呑地蔵のお堂の前で落慶法要を致します。
お墓参りと合わせて、普段着でお立ち寄りください。

法然上人大師号奉戴

浄土宗の宗祖・法然上人の八百年遠忌の年にあたり、天皇陛下より法然上人に対して法爾(ほうに)大師の号が加諡(かし)され、平成23年3月16日に宮内庁より総本山知恩院門跡・伊藤唯真猊下(げいか)に伝達されました。

大師号(だいしごう)とは朝廷から有徳の高僧に賜る称号のことで、大師とは大導師の意味です。

大師というと、真言宗の開祖の弘法大師(空海)を頭に浮かべる方も多いかと思いますが、法然上人は一人で八つの大師号を賜わったことになります。

法然上人は1697年(元禄10年)に東山天皇から円光(えんこう)大師の諡号を賜わり、1711年(宝永8年)の五百回忌に中御門天皇から東漸(とうぜん)大師、1761年(宝暦11年)の五百五十回忌に桃園天皇から慧成(えじょう)大師、1811年(文化8年)の六百回忌に光格天皇から弘覚(こうかく)大師、1861年(万延2年)の六百五十回忌に孝明天皇から慈教(じきょう)大師、1911年(明治44年)の七百回忌に明治天皇から明照(めいしょう)大師、1961年(昭和36年)の七百五十回忌に昭和天皇から和順(わじゅん)大師と加諡されています。それに加えて今年の八百回忌に今上陛下から法爾(ほうに)大師と加諡されることになりました。

法然上人の御教えを受け継ぐ浄土宗にとって大変喜ばしいことです。

「こころ」と「思い」

最近よくACジャパンのCMで流れるフレーズ
    
 「こころ」はだれにも見えないけれど

 「こころづかい」は見える

 「思い」は見えないけれど

 「思いやり」はだれにでも見える

何度聞いてもいい言葉です。宮澤章二さんの「行為の意味」が出典だとあったので、本を取り寄せようとしましたが、在庫がなく、入荷予約になってしまいました。

先日の街頭募金では、大勢の方が、東北関東(東日本)大震災の被災者への「こころ」や「思い」を見える形にして援助していただきました。16日に¥417,531-、17日に¥358,450-の義捐金が集まりました。集まりました義捐金は、日本赤十字社を通じまして届けさせていただきました。
ご協力、誠にありがとうございました。
今後も震災への支援を青年会を通じて行なってまいります。

増上寺(ぞうじょうじ)御忌(ぎょき)延期

東京の芝にある大本山増上寺において、毎年四月の初めに御忌(ぎょき)といって、浄土宗の宗祖・法然(ほうねん)上人(しょうにん)の忌日法要を行なっています。
特に平成23年の今年は法然上人が亡くなられて八百年の八百回忌という八百年大遠忌の年で、例年よりも盛大に御忌を開催する予定でしたが、先日の東北・関東大地震の影響で、今年の増上寺の御忌は中止して来年まで延期になるようです。大変残念なことですが、致し方ありません。
今はなによりも被災者の皆様へお寺や僧侶が何ができるかを検討中ですが、浄土宗東京教区青年会(通称、東京浄青)では、今月の16日と17日に先ず緊急街頭募金の托鉢を増上寺近辺ですることが決まり、私も参加致します。
我々に出来ることから行動を起こしていこうと思います。

今月15日から江戸東京博物館で開催される予定の「五百羅漢展」も地震の影響により開幕が延期になったそうです。

いろいろな所に地震の影響が出ますが、被災地の一日も早い復興を心よりご祈念申し上げます。

災害対策

皆さんご存じのこととは思いますが、地震に対する災害時の注意点をいくつかあげておきます。

・地震が起きたら、逃げ道を確保するために窓を開けましょう。

・普段から、お風呂のお水を貯めておきましょう。

・発電所に被害が出ますと、電気の供給も難しくなりますので、電気が通じる方はご飯を炊いておきましょう。

・停電した地域の方は、漏電による火災の原因になるので、ブレーカーを落としましょう。

・ビニール袋は閉じ込められた時にトイレの代わりにもなるので、普段から持ち歩くようにしましょう。

・災害に乗して犯罪が増えます。たとえば、空き巣、強盗、詐欺などです。

・意識を失っている人がいたら、むやみに揺すったりしてはいけません。

皆様のご無事をお祈りいたします。

東北・関東大地震

本日の地震は大変長く激しい揺れでしたね。
お怪我などされておりませんか?皆様がご無事でありますことを心よりお祈り申し上げます。

また、外出中の方は帰宅するのに大変苦労されていることと思います。
災害時の徒歩帰宅マップが数年前にベストセラーになったことはご存知でしょうか?
災害時に交通機関が止まった時に、徒歩で自宅まで帰宅するための地図です。
しかし、大地震が起こった後は、交通機関が止まり、道路や駅は人であふれ返ってしまい、満員電車状態になってしまうので、なかなか徒歩での帰宅は困難になってしまうそうで、しばらくは仕事場など、その場に留まることも大切だそうです。そのためには、仕事場にも非常食などを備蓄しておくことも重要なことと思います。

これからも大きな地震があるかと思いますが、災害時には、慌てずに避難してくださいね。

お塔婆(とうば)・卒塔婆(そとば)

今回はお塔婆(卒塔婆)についてお話しいたします。

お塔婆とは、ご存じのように年回法要やお盆・お彼岸、お施餓鬼・お十夜法要においてご先祖様や故人の追善供養のためにお墓の後ろに立てる細長い木の板のことで、板塔婆(いたとうば)ともいいます。

もともとはインドでお釈迦様の供養をするために仏舎利を納めた土饅頭の形のストゥーパという仏塔です。古代インドの言葉であるサンスクリット語(梵語)のストゥーパを音訳した卒塔婆(そとば)を略した言葉が塔婆で、さらに略した塔の語源です。五重の塔や五輪塔もお釈迦様の仏塔(ストゥーパ)がもとになっています。

お塔婆の上のほうは左右に切り込みがありますが、宇宙の構成要素の「地(ち)・水(すい)・火(か)・風(ふう)・空(くう)」の五大(ごだい)を表した五輪塔(ごりんとう)を板塔婆で示したものです。

塔婆を立てる功徳は、仏塔を建てたことことと同じ功徳があるとされ、塔婆自体が仏様の功徳や体を表していますので、粗末に扱うことのないようにお願い申し上げます。

塔婆を立てることは、故人やご先祖様へのお手紙と思っていただいて結構です。
塔婆は回忌法要や祥月命日、お盆やお彼岸にお立てすることが多いですが、お参りの際など思い立った時にいつでもお立てして構わないものです。たまには、極楽浄土にいらっしゃるご先祖様へお手紙をお出ししてはいかがでしょうか?

塔婆には、先祖代々のための家名や故人の戒名を表に書き、裏には建立する年月日を書きます。また、塔婆をあげる施主の名前を書きます。

※お塔婆をお申込みの際には、○○家先祖代のお彼岸やお盆の塔婆、また、故○○○○の何回忌や祥月命日の塔婆として、誰が塔婆をあげるか施主の名前をお教えください。
塔婆のお礼の金封の表書きは「御塔婆料」としていただければ結構です。

清岸寺では、現在、普段のお塔婆は五尺塔婆で、1本3千円となっています。
また、年回の法要では、必ず施主の方には六尺塔婆(5千円)をおあげいただき、その他の方(志主)は五尺塔婆(1本3千円)をおあげいただいております。
お寺ごとにお塔婆の料金は違いますので、清岸寺のお檀家でない方は、菩提寺様にお問い合わせ下さいね。

なお、お墓の後ろの塔婆置き場がいっぱいになりましたら、お手数ですが古くなったお塔婆から古塔婆置き場までお持ち下さいませ。

間もなく春のお彼岸ですが、春彼岸にお塔婆(とうば)を立てたい方は、直接お寺までお申し込み下さい。


※仏事についてご不明な点がございましたら、コメントをお寄せ下さい。

ちい散歩 『幡ヶ谷』をお散歩

テレビ朝日で放映されている地井武男さんの「ちい散歩」は皆さんご存知ですよね?
先日、地井武男さんが幡ヶ谷をお散歩され、清岸寺にも立ち寄られました。

幡ヶ谷の「ちい散歩」の放映日は3月8日(火)(9:55~10:30)です。

私は撮影時に立ち会えませんでしたので、放映日が楽しみです。
みなさんも是非ご覧になって、幡ヶ谷をお散歩してみてください。


先々代の住職が詠んだ歌を載せておきます。 

  幡ヶ谷に その名聞こえし清岸寺
     法(のり)の流れは 永久(とわ)に尽きせじ
            (当山第四十三せ 済誉徳全詠)

墓マイラー

最近、いろいろな歴史上の有名人が眠るお墓を訪ね、お参りして歩く人を「墓マイラー」と呼ぶそうです。

歴史上の有名人のお墓を紹介した墓マイラーのための散歩地図の本も出版されているようですので、好きな有名人のお墓を訪ねて行くのも歴史に触れる良い機会になるのかもしれません。

しかし、残念ながら清岸寺には歴史上の有名人のお墓は特にございません。

今月は春のお彼岸の月ですので、まずはご先祖様のお墓にお参り致しましょう。
春彼岸は、ご存じのことと思いますが、春分の日(お中日)を挟んで前後3日の1週間ですので、今年は3月18日~24日です。

清岸寺には常時、お花(一対、1300円)とお線香(一対、200円)の用意がございますので、お時間のある時にお気軽にお参りにお越しください。

日常勤行式(にちじょうごんぎょうしき)の構成

浄土宗において、日常にお唱えをするお経を日常勤行式(にちじょうごんぎょうしき)と言います。

一般的にお経の構成は、序分(じょぶん)・正宗分(しょうじゅうぶん)・流通分(るづうぶん)という三段(三分科)に分かれています。序分は序説の部分で、正宗分は本論の部分、流通分はそのお経の功徳を説いて後世まで広く流布することを説く部分です。

浄土宗の日常勤行式も、この経典の三分科法に習って、三段に分かれています。
・序分では、まず自分の身を清め、仏教徒としての条件である仏・法・僧(仏様・仏様の教え・仏様の教えを信じる人たち)を敬い、阿弥陀如来を迎えしてその徳を讃え、自分の過去の行ないを懺悔(さんげ)します。
・正宗分では、仏の教えに出会えたことを喜び、浄土宗の拠り所とするお念仏の教えを説くお経やお経の中の一節を唱え、お念仏を繰り返しお唱えし、お経とお念仏の功徳をすべての人に振り向けます。また、お念仏の前に浄土宗の宗祖の法然上人のご法語をお唱えすることもあります。
・流通分では、仏道を求める者が共に起こす四つの誓いを立て、阿弥陀如来を讃えた後にお送りします。


<序分>
1.香偈(こうげ)
2.三宝礼(さんぼうらい)
3.奉請(ぶじょう)
  四奉請(しぶじょう) …関西ではこちらを使うことが多い
  三奉請(さんぶじょう)…関東ではこちらを使うことが多い
4.歎仏偈(たんぶつげ)
5.懺悔偈(さんげげ)
6.十念(じゅうねん)

<正宗分>
7.開経偈(かいきょうげ)
8.誦経(ずきょう・じゅきょう)
  『無量寿経』『観無量寿経』『阿弥陀経』の浄土三部経
  「四誓偈」(『無量寿経』の一節)
  「真身観文」(『観無量寿経』の一節)
9.回向文
  本誓偈(ほんぜいげ)など
10.十念
11.一枚起請文(いちまいきしょうもん)、一紙小消息(いっしこしょうそく)など
12.摂益文(しょうやくもん)
13.念仏一会(ねんぶついちえ)
14.総回向偈(そうえこうげ)
15.十念

<流通分>
16.総願偈(そうがんげ)
17.三唱礼(さんしょうらい)…節が付きます
  三身礼(さんじんらい) …関東ではこちらを使うことが多い
  三帰礼(さんきらい)  …関西ではこちらを使うことが多い
18.送仏偈(そうぶつげ)
19.十念


日常勤行式は、前後や途中を省略してお唱えすることも多いですが、浄土宗の法要はすべてこの日常勤行式の構成が基本になっています。
勿論、言うまでもなく日常勤行式や法要の一番の中心は念仏一会(ねんぶついちえ)のお念仏です。

日常勤行式のお経本やCDも浄土宗や書店でも販売されていますので、お経のお勉強をしたい方は購入してみてください。
一般の方がお仏壇の前などで唱えする時は前後や途中を省略してもいいですし、時間のない時は南無阿弥陀仏(ナムアミダブツ)のお念仏だけでもいいですよ。

『親子のための仏教入門』

最近、ロボットコンテストの創始者で、ロボット博士として有名な森 政弘(もり まさひろ)さんが『親子のための仏教入門―我慢が楽しくなる技術』(幻冬舎新書)を出版されました。森さんは、他にも『ロボット博士 森政弘の佛教入門』(佼成出版社)などの著者があります。

森さんはロボット作りの工学的な見方や考え方を例にして、仏教のものの見方や考え方をわかりやすく解説してくださっています。森さんは禅宗から影響が大きいですが、仏教の専門用語をなるべく使わずに、仏教的な考え方を解説しています。

その本の中で、「二つ」が「一つ」になる―+と-が協力し、一つに溶け合っている、という一節があります。そこには仏教の「一つ」になるということを説明するのに、次のような話を載せています。

それは、本田技研の創始者の本田宗一郎さんが、従業員に次のようなクイズを出したそうです。「車を走らせるのはアクセルで、止めるのはブレーキ、これでよいか?」というものです。ほとんどの人は、このクイズに対してOKと答えます。すると本田さんは「私の車があそこにあるが、今からあれのブレーキを外してやる。君はそれに乗って走ってこい。君はアクセルで走らせることができると言ったじゃないか」と言われたそうです。

車を走らせるには、アクセルとブレーキの正反対の要素が協力しなければなりませんね。これは車を走らせることだけではなくて、すべてのことに共通することです。

その他にもいろいろな例え話が掲載されています。ご興味を持たれた方は、読んでみて下さいね。
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清岸寺

Author:清岸寺
清岸寺・住職の弘之(お坊さん読みでコウシ)です。
学歴:大正大学人間学部仏教学科卒業、大正大学大学院修士課程修了。
趣味:読書、映画鑑賞、合気道(合気道歴20年)。

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